実物 巡査用警察サーベル刀身切断品残欠付属

1876年(明治9年)に公布された廃刀令により帯刀を禁止され、明治政府に対し不満を持った士族達は1877年(明治10年)に西郷隆盛を盟主として西南戦争を起こしました。
西南戦争開戦当初は最新式の火器を装備した明治政府軍が優位に立てると軍は想定していましたが元武士である士族出身者で構成され、剣術を中心とした白兵戦術に長けた薩摩軍の猛攻により火器では歯が立たない局面が多発しました。
徴兵により元農民や町人で構成され数年間の訓練期間しかなかった陸軍とは対照的に元武士の比較的人気の転向先であった東京警視本署(現在の警視庁)に剣術、白兵戦術に長けた人員が多く在籍していました。
そして東京警視本署から選抜された白兵戦術に長けた人員で「抜刀隊」を編成し田原坂の戦いなどで多大な戦果を上げました。

抜刀隊の活躍により日本刀の有用性が再評価され西南戦争終結後の1883年(明治16年)には下級巡査の帯剣が許可されました。これにより巡査用サーベルが導入されます。
また1891年(明治24年)に発生した、警護役の警察官によりロシア帝国皇太子が切り付けられた大津事件では本商品と同型のサーベルが使用されています。

巡査用サーベルは陸軍用サーベルとは仕様が異なりDガード(護拳)が廃されています。
・鍔、金具は総真鍮製・平らな柄尻・Dガードの無い代わりに刀緒を通す、柄尻、鍔に装備されたリング・金線の巻かれた革製の柄・ニッケルメッキ仕上げの鞘・ボタン式の駐爪・サーベル軍刀と同様の単装の吊環・柄に彫刻された旭日章以上の特徴があります。
刀身は工業刀を使用するものは柄尻から真鍮製ナットで締め込み固定されています。

全長：約683mm鞘長さ：約549mm身幅：約23mm重ね：4.6mm刀身切断部：約14cm(15cm以内の合法長さ)

軍刀と比較し生産数が少ない為現存する個体もそれに伴い比較的少数です。
一般的に軍刀＝武士、侍の魂と認識されていますが警察サーベルこそ、元士族の武士の魂が込められたものと当方は考えております。
既に軍刀をお持ちの方にも、コレクションに加えて頂ければと存じます。

駐爪はロックがしっかりと掛かりボタンもスムーズに作動します。鯉口から抜け落ちることはありません。

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